記録

幻覚を記録する。

OFF THE WALL(梅棒)

【会場】こくみん共済 coop ホール/スペース・ゼロ

【上演時間】1時間45分

 

生まれてから人格形成までを平成に済ませたTHE 平成人間です。

前説で「散々昭和を馬鹿にして育ってきた平成生まれの人手挙げて」って博士に言われてみんな素直に手を挙げたあたり、それでこそ平成生まれと思うなどして楽しかったなぁ。

別に馬鹿にしてないけど、手挙げてって言われたら挙げるんですよ平成生まれは。素直が取り柄。

今回の梅棒は昭和の小学生がテーマということでわりと構えました最初は。なんか引っかかるかもって。

でも、今自分が実際に小学生と関わっているということもあって、今もいるわこういう子、今もあるわこういう事と思ったし、じゃあ自分はそういう子たちに寄り添える大人になることができているだろうかと考えました。指導する立場じゃないし、同じ子達と二度と会うことはないけれど、何かしてあげられることは無いかなぁって今まで以上に真剣に考えるようになったし、一人一人をちゃんと見たいと思いました。

描いていたのはままならない現実と、それでもハッピーエンドにたどり着いた奇跡。とても素敵なファンタジー

歴代の梅棒作品の中で一番好きです。

大阪遠征一日早く切り上げて楽日に来たぐらい好きです。宿代はドブに捨てました。

プログラムにこれが第一シーズンの締め括りであり節目って書いてあったから、その終わりに私の好きな梅棒を見られて本当によかったと思いました。

 

以下、記憶だけを頼りにしたナンバーごとのメモ。

 

前説

梅棒の前説って良いよね。ただ注意事項を伝えるだけじゃなくて、世界観にぐっと引き込んでくれる。

「あの頃はよかった」にちょっと身構えた。

でもこれは現代において世間から腫れ物扱いされるおじいちゃんの「あの頃はよかった」だし、なんなら本編中で我々が博士の話を聞いているのはM10とM21のラストだけだし、というのを考えると全然構える必要はなかったなと思った。千秋楽の語り、本当に柔らかで好きでした。博士は博士で色んなことがあったんだろうね。ねるねるねるねのCMのオーディションに落ちたり。ビックリマンチョコのチョコを子どもたちに恵んでもらって食いつないでたり。聞いてるこっちは爆笑だけど、本人からしたら別に良いことばかりじゃない。それでも「あの頃はよかった」。それを言える博士だから、最後会いたかったものに会えたんだなぁと思うなどした。

 

M1:Fight Music

女子組の入場がめっちゃかわいい。

騎馬組んでるギガント組すごい仲良さそうで、ただ暴力だけで従わせてたんじゃないんだろうなと思う。彼の寂しさになんとなく気付いてた子、遠慮のなさに救われてた子、力強さに憧れていた子。そう思わせる何かがギガントから滲み出てる。

曲調は明るいんだけど、歌詞はわりとシビアで、舞台上で起きてることもわりとシビアで、それでもメガネが立ち上がるあたり今回の公演の方向性をバッチリ感じさせるナンバーでした。

カンチョーされた先生がたっつぁんにオロナインを塗ってもらうシーン、目の前1mぐらいの距離で二回見たんですけど、面白すぎ意味分からなすぎで駄目です。2列5番はオロナイン席。それのせいでこのナンバーの記憶が半分以上消えたみたいなところがある。ごめんなさい。尻にオロナイン塗ってくれって頼まないし、塗ってあげない普通は。たっつぁんが手を洗いに一回はけるのも、最後のサビで良い顔してる先生も面白すぎて駄目だ。誰だこのシーン考えたの。勝手に遠山さんだと思ってるんですけど。違ったらごめんなさい。天才。


M2:交響詩 ツァラトゥストラはかく語りき

野田さんの芝居が細かい。全部分かる。全編通して台詞無しでここまで語るか、という感じ。計算され尽くされているのにがむしゃらでもある。エリートな上に根性丸出しみたいな。完成度が高すぎる。強い。

ポルポがめっちゃかわいい。てーん!、という顔をしている。かわいい。かわいいなぁ。かわいいしか言えない。なんでこんなに「そういう生き物」になれるんだろうか。すごい。かわいい。


M3:COOLEST

まず曲がめちゃくちゃCOOLESTだし、歌詞が梅棒にぴったりで更にCOOLESTだった。全く新しい舞台のジャンルを作り上げ、それをブランドとして確立して、ここまで公演規模を拡大してきた年月は、まさに華麗にステップ茨のROADだったんじゃないかと思うし、舞うように切り開くWINDING ROADだったんじゃないかと勝手に思った。

良かったなぁ、この曲と出会えて。しばらくリピートします。

天野さんのダンスがソラノカナタノセカイ頃からすごく好きで今回も好きでした。

今人さんの梅棒ポーズはずるい。

ニーディストラクションのところで膝蹴りかましながら前に出てくる振付がめっちゃ良い。鶴野さん天才。

フォーメーションも面白いから引きで見たときの方がよりうおおおおおおって感じがした。

野田さん櫻井さんが踊ってるとき奥で座ってる鶴野さんのポーズがめっちゃ格好いい。

役の衣装に変わって最初に登場するのがハチなのが凄く好きです。

スタッフさんが屋台出すのすごい速さで感動した。

 

M4:たいせつ

宇宙にあこがれる内気ないじめられっ子が宇宙人と友達になるってもう約束された超王道じゃないですか。

メガネとポルポが一緒に踊るところの多幸感がすごい。そしてこの公園にたっつぁんがいてくれて良かった。

メガネ、頭の回転早いし、いざというときは友達のために勇気を出せるし、本当は全然できない子じゃないんだなというのが分かる。

ポルポの目は宝石。キラッキラ。

博士、たっつぁんを持ち上げであんだけ回転するの凄い。そして尻を揉みすぎ。そりゃ結構な勢いでどつかれるよ。

二回目以降だと地球に降り立ったポルポの心情を考えてしまう。あの呆然とした顔。メガネに出会えてよかったねぇ。握手してもらえて本当に嬉しかっただろうし、安心しただろうなぁ。


M5:おどるポンポコリン

あのウルトラセブンのお面がどれだけビンボにとって貴重なものなのかっていうのを大人は考えちゃうじゃないですか。多分ハチもちょっと考えてる。でもギガントは考えないじゃん。自分のことでいっぱいいっぱいなので。だからある部分で一緒にいやすかったのかなって思ったり。

ツネヲはツネヲでずっとギガントの味方でいるって決めちゃってるのが分かる。ギガントはツネヲがいなかったら多分もっと大変なことになってたと思うので、いてくれて本当によかった。

ギガントの蹴りが胸に入っちゃったビンボの咳き込み方がリアルでつらい。暴力ダメ絶対。

「お笑い芸人登場」で出てくる先生、完全にお笑い芸人ですごい。別にお笑い芸人らしいことは何一つしていないけど出ただけで笑い取れる。すごい。そして若ハゲが凄まじすぎて一体どんな苦労をしてきたのか不安になる。でも先生ってマジでそれぐらい大変だよなぁ、というのを最近思う。

ギガントに勝って満足気なポルポがかわいい。

ポルポを隠そうとするたっつぁんの動きの不器用さがリアルですごい。そしてポルポに思いっきり叩かれても叩き返さないところが好き。


M6:掃除が大事

イントロのイインチョかわいすぎませんか。動きもかわいいし、振り返ったときの表情もかわいい。

振付がめっちゃ楽しい。そして先生がかわいい。

先生が説明してる時点で既に遊びに行こうとしてるギガントと「まだ先生いるから大人しくしてないと」ってするツネヲの対比よ。ここでツネヲを殴って黙らせないあたりに関係性が見える。完全な子分じゃなくて共犯者なのよね。ツネヲは最後まで自分で選んでる。

イインチョ、頼むからそのまま大人になってくれ。「胸に手を当てて、もう一度自分を見つめて」の口パクがすごいかわいい。

モー子がホウキにまたがって魔法使いごっこしてるの可愛いし、ラストへの伏線ですよね。そのあとイインチョに注意されて「ごめん」って言うときの表情もかわいい。ポルポを見つけてメガネを吹っ飛ばして駆け寄るのもかわいい。

ビンボがホウキでバランス取ってるのもかわいい。すごい上手い。からの唐突な美しいターン。笑うわあんなん。

ゴミ箱にゴミ戻すためにポルポがソースの力を使うシーンの顔が絶妙。

モー子のお口ミッフィーからのチャック、記憶の中に永遠に残しておきたい。

イインチョと目があったときの博士の煽り顔の煽り力がヤバい。

 

M7:少年

ジャミラアイスラッガー白刃取り。

お面壊されてしゃくりあげるビンボがあまりにもかわいそう。

ポルポのソースの力は修復じゃなくて、望む形にする力なのかな。

たこ焼き焼きながら踊るたっつぁんがやたらと格好良い。

「アイアムストロング」のギガントとツネヲがかわいい。仲良いな君らは本当に。カンチョーはもうやめなさい。というかもう先生がズラだってみんなに知られてるじゃないですか。

金八先生からビンビンというかトシちゃんになるの華麗なる変身すぎて「はーーーーー」と思ったし、華麗なのに相変わらず様子がおかしくて感情が行方不明になる。

髪が生えてめちゃくちゃハイになって屋台前でいつまでもオンステージする先生に唖然とするたっつぁんに笑う。

 

M8:ミスター

遠山さんのコメディ作家としての才能が爆発している。

モー子ほんとかわいいな。

縄跳びできなくてこけちゃったモー子に一瞬駆け寄ろうとするけど立ち上がったの見て安心するハチ、イケメンにも程がある。アクロバットもめちゃくちゃ格好良くてイケメンにも程がある。

なんで梅澤さんあんな小学生女子感を出せるんだろうか。モー子の背中を押したあとの表情が良すぎて。口パクで何言ってるのかめっちゃ気になった。

ババ抜きってあんなに面白くできるんですね。

「ハァーーーーン」の音はめ好きです。

なんでタネを浴びてるんだ、たっつぁん。生でタネ食べたら危ないぞたっつぁん。

苦悩するハチの主人公みが凄い。


M9:抱きしめてTONIGHT

遠山さんが考えた爆笑コメディとYOUさんの最高の振付と楢木さんの丁度良さが合わさった結果、予想の斜め上方向から何かヤバいものが飛んできてぶっ刺さった。物凄い爆発力。最高。

面白いと格好いいと可愛いと美しいが物凄い濃度で同居していて脳がバグる。なんだこれ。そりゃたっつぁんもガン見するわ。

元の振り付けのエッセンスも感じられてとても良い。

肘をついた姿勢で爪を噛むのを真似するたっつぁんがかわいい。

先生が飲んでるもの、カップの形からして紅茶かな?カップを指で弾く仕草が謎お洒落だった。ワインとかブランデーとかじゃなくて紅茶というあたりが絶妙。誰が考えたんだろう。と思ったら遠山さんか。天才です。足パタパタしてるところもかわいい。

問題児でも困っていたら放っておけない先生、とても良い。先生ってそうよね。そうであってほしい。

みんなのお悩みを聞くポーズがとてもかわいい。

そしてこんだけかわいいのに常に様子がおかしい。

しょんぼりポルポもかわいい。

全員で踊るところのビンボがキレッキレ。曲に合わせて踊り方が全然違ってビンボのニュートラル感が分かりやすかった。遠山さんマジですごい。

今回一番好きなナンバーでした。

筒美京平ってすげーーーーーーー。


M10:地上の星

今人さんの本気。一人で喋ってるのを忘れさせるほど普通にのめり込んでしまう。ウスター卿の手動音声エフェクトのクオリティがやたら高い。

劇中劇として単純に面白いし、ポルポの事情が分かることで本編のドラマ性が深まる。

「ソースの力だって使えるもん」って初めて聞いた時???となって「ソースの力を侮るな!」と言われてやっと意味が繋がって爆笑。

梅棒の殺陣、好きです。

国王軍のそれぞれのライトセイバーの構え方がもうめっちゃ格好いい。

遠藤さんが良いのは当たり前として、下手側で殺陣やってるトルーパーは遠山さんですか。動きがとても早い。遠山さんの殺陣が好きなので嬉しかったです。

王が王妃を守ろうとしたとき客席後ろの壁に投影される照明エフェクト、ポルポが目覚めたときと一部同じですよね。演出が細かい。「自分以外の大切なものを守ろうとしたとき、本当の力が目覚める」すごいキーになる台詞ですね。

パパのモノマネをするポルポの顔が回を重ねるごとに凄いことになってヤバい。

あえて国王軍とトルーパーに屋台運ばせるの、つい見てしまうのでやめてください。飯野さんがすごい真面目な顔して慎重に運んでるの面白すぎる。ずるい。

 

M11:見上げてごらん夜の星を ~ぼくらのうた~

宇宙の話するメガネ、すっごいキラキラしてる。

1,2番の間奏でハチとビンボが登場するところが凄い好きです。切ないシーンではあるんだけど、夜の公園のワクワク感もあって。親に見つからないようにこっそり抜け出して来たんだろうね。あんな大荷物で出て行ったら多分バレてるけど。

交換日記読んでるときに目をパチクリさせるポルポがかわいい。

花道で踊る遠山さんのダンスがすごい好きです。

屋台借りるときにみんな「ごめんなさい」してから借りるのが良い。ここでビンボがたこ焼き焼いてるのが令和2年への伏線ですね。才能に気が付くたっつぁんも偉い。これがなかったら令和2年のビンボは多分あそこに辿り着けなかったよね。ポルポとの出会いによって本当にみんな色んなものを得られたね。

 

M12:浸食 〜lose control〜

コックリさんってさぁ、思い込みが強い子が動かすんだよね。イインチョじゃん。イインチョの深層心理じゃん。それが狐を呼び覚ましてしまったんじゃん。クラスのみんなが自分を好きかどうかなんてさ、普通は気にしないじゃん。そんなん考えたことないもん。嫌われてるんじゃないかって不安だから聞いちゃうんだよね。結果あれ。そらそうなるわ。悲劇が振り切れると喜劇になるので普通に爆笑してしまったけど、後から思い返すと悲しい。あのちっぽけな肩にこんな気持ち背負ってたなんて。だから令和2年のイインチョが凄く楽しそうでイキイキしててキラキラしてて本当に嬉しかったなぁ。

イインチョから見たモー子はとっても可愛くて優しくてみんなに好かれる女の子なんだね。その通りなんだけど。自分と違って、って前置詞が付くんだろうなぁこの時点では。

最後、髪の毛がずるりと出てくるところはリアルに「げぇ」って言うぐらいホラーだった。

あと殴る音をあえてSEじゃなくて足で出したことによって重さが伝わってめちゃくちゃ笑いました。

大縄跳びで狐の手を作りながら跳ぶ狐、訳分からなすぎて好きです。あと櫻井さんの狐が早々に脱落した回はめちゃくちゃ笑いました。

 

M13:ふっかつのじゅもん

やはりメガネはわりと恵まれた家庭環境で育ったんだなぁ。図鑑とか、ファミコンとか。

ハチが勇者のポジションを自然にメガネに譲るところがめっちゃ好きなんですけど。本来ならハチって主人公ポジョンにいるようなパーソナリティしてないですか?少年漫画や児童書の主人公概念。このナンバーがあることで次以降のMがとても引き立つ。

ビンボ、舞台に出る前から前が見えなくて舞台袖でカーテン開けたり閉めたりしてて笑った。

たっつぁんがお面つけるときの「やってやんよ!」な表情、良い。

そしてビンボの攻撃がかなりマジでいたなぁこういう子となる。股間を攻撃するのはやめなさい。

たっつぁんがノックアウトされたあと、メガネにやられそうになるポルポのきゃーって顔がとてもかわいい。

仕事帰りにわざわざ子ども達に声かけしに公園に寄る先生、すごい。しかも半ば巻き込まれたとはいえ遊んであげるあたり本当にすごい。でもタイミング悪すぎんよーーーーーーーー。空気を読むのが下手というより絶望的にタイミングが悪い先生……事件が起きるときも間に合わないし……悲しい……滑り台の上で腕をくるくる回す振りがめっちゃ可愛い。

ツネヲがさぁ。なんでも買ってもらえる坊ちゃんが「ごっこ遊び」に参加すんのがさぁ。こういうキャラにありがちな金持ちを鼻にかけるムーブもほぼしないし、あんま家好きじゃなさそうだよね。家族にもそんな素振り見せて無さそうだけど。下手に器用だから。ツネヲの世渡りはギガントに媚びることじゃなくて、大人から見られたときに一線を超えないようにすることなのでは。ギガントと一緒にいることが唯一の反抗だったんじゃないかな。でもみんなが楽しいことしてたら参加したくなっちゃうよね。ギガントがあそこにいるの知らなかったしね。絶対これが引き金になっている。

たっつぁんの武器が拳銃なのは、CGHで櫻井さんがお巡りさんをやっていたからなのか?そうなのか?

ギガントがたこ焼き屋の看板に隠れて見ているのが切ない。すっごい一緒に遊びたそうな顔してんだもん。2列5番に座ったときずっと見てたけど、どんな顔して良いか分からなかった。でも目が離さなかった。舞台見てるときって基本役で見てるけど「うわこの人こんなことできるんだ」みたいなときに、ふと役を飛び越えて役者さんを見る瞬間がある。でも今回塩野さんに関してはずっとギガントにしか見えなかった。ウスター卿のところは塩野さんも見えたけど。ギガントのときは寂しさとやり切れなさを抱えきれず持て余し持て余される一人の小学生しか見えなかった。だから本当に本当にしんどかった。楽しいナンバーの中で一人だけしんどいの、しんどいなー。

 

M14:忘却の空

メガネはここまで一貫していくら殴られても殴り返すのはダメって言うんだよね。すごいよお前。だってポルポの力があるから勝とうと思えば勝てるのに。それを良しとしない。気高い。

M13で感じた寂しさをこういう風にしか持っていけないギガントが悲しくて悲しくて。でも可哀想だからと許されることでもなくて。だって実際にそのせいで傷付けられてる子たちがいるわけだからね。めちゃくちゃしんどい。一番深く傷付いてんのは多分ギガントなのに。

ハチがもう……ハチ……あんなに主人公概念のハチですらここまで曇るのがさぁ……悲しい……

ビンボの何も分かってない感がナチュラルに出せる遠山さん何者なんだ。いたよねああいう子。

ポルポがこけたら自分で立ち上がらないの知ってて突き飛ばすメガネ、悲しい……

そんな中、ツネヲ。ツネヲ、潔い。やり方は卑劣だけど潔い。入れ知恵が最悪すぎてもう笑うしかない。こんなところで要領の良さを見せるな。そして泣いてるポルポを慰めるときの熱演、かわいい。ギガントとツネヲがハチとビンボを操る振り付けもあるあたり、やっぱりツネヲは子分じゃなくて共犯者。マジでお前がいなかったらギガント一人が悪者になってた。いてよかった。

 

M15:エロティカ・セブン

辛い。サザンの曲聞いてこんな辛い気持ちになることありますか。多分もう一生ない。

冒頭でモー子とイインチョが交換日記を「見せて」「ちょっとだけだよ」「ちょっとだけ」ってやってるのすごいかわいい。かわいいだけに破いちゃったときのイインチョが本当につらい。

ハチ、しんどすぎて見ていられない。

そんな中、ツネヲはほんとにもうなんなんだお前。カエル怖いのか。ううう〜の顔と動きがかわいくて腹立たしい。ツネヲがいなかったらギガント一人が悪者になっちゃうけど、ツネヲがいなかったらギガントにできることはもっと減ってると思うので、被害ももっと小さかったと思う。どうしたら。

先生のタイミングの合わなさ本当に……悲しい……いないとき狙ってやってるから当然っちゃ当然なんだけど……「モンスター」で思わずギガント指しちゃうあたりは人間味を感じた。あんだけ頑張っててあれだったらそりゃね……

誰も悪くなくないけど一概に責めることもできないので苦行か?というぐらい辛かったけど折角生のパフォーマンスを見るならこれぐらい抉られたいよね!

振付がめっちゃ格好良くて情緒が行方不明。

 

M16:One more time, One more chance

イインチョがコックリさんに消えるくだり、振り切れた悲劇は喜劇理論で初見のときは爆笑だったんだけど、イインチョへの愛着が強くなるとどんどん辛いシーンになる。この笑ったらいいのか泣いたらいいのか分からない感じ、熱海殺人事件

モー子がさぁ……交換日記が破れたのはもちろんショックだったんだけど、イインチョがいなくなっちゃったということの方が圧倒的にショックだったし、むしろ後者に比べたら前者は全然大した事ではないというのがダンスと表情から凄い伝わってきて……イインチョのことこんなに大事に思っていたのにもう伝えられない……伝えたいことが伝えられた日々がどんなに大切なものか今なら分かる……

もう勝ち目が無いのに立ち向かっていくメガネーーーーー!!!!!やはり気高い。そして引き離されるポルポの顔が本当に悲しそうで辛い。

初見、たっつぁんの歌がフェードインしてきたとこで嬉しすぎて思わず胸の前で小さく拍手してしまった。『Shuttered Guy』で一番好きなナンバーはYAH YAH YAHです。

たっつぁん、私の背中も押してくれ。

 

M17:田園

ユタと不思議な仲間たち、開演。大好きなんですよこういうの。

櫻井さん役として歌うのめっちゃ上手くて一体何の人なの?となる。

モー子が最高に格好いい。世界で一番格好いい。覚悟が決まっている。

たっつぁんの「次」と「やれ」がツボに入ってしまってしんどい。声が良すぎる。

先生、たっつぁんからマイク渡されてそれで歌うのかと思ったらMYマイク持ってて笑った。髪型が変わってとかいうレベルではない。自分で自分を無邪気って言っちゃってて笑う。確かに無邪気。楢木さんが演じる役は格好いい系だと爽やか属性がめちゃくちゃ強化されて、かわいい系だと無邪気属性がめちゃくちゃ強化されるので絶対愛着わく。

先生の「そうだ!」がすっごいイキイキしてて。子どもが成長していく姿が本当に嬉しいんだなぁ。

たっつぁん「それでも!」先生「その手を!」「「離さないで」」のところ、めっちゃ熱い。

暴力はダメって言うし、実際自分も身体張って止めに行くけど、それでも止められなかった場合を想定している先生。そして喧嘩の仕方を教えられる近所の兄ちゃん概念のたっつぁん。色んな立場の色んな大人。いてくれてよかった。

 

M18:ギリ昭和

タコ滑り台に陣取るギガントたち、走り込んでくるメガネたち、無音の空間で放り投げられるランドセル、が落ちると同時に始まるイントロ、全てが格好いい。ユタです。

ババ抜きってこんなダサ格好良くできる?

ババ抜き終わって一回先生とたっつぁんがはけるとき肩を組んでいて青春だった。大人になっても仲間はできる。

もう引けないってヤケクソの表情のハチがとても辛い。

縄跳び苦手だったモー子が大縄に入ってくるの、ひっかかっちゃっても勇気を出したというその時点でもうめちゃくちゃ格好いい。お前の愛と勇気がハチを取り戻したんだ。

ツネヲーーーーーーーお前ポルポと先生に直してもらった超ハイスペックミニカーをここで使うの卑劣だなーーーーーーー。遠慮というものが無い。でも完全にメガネが勝つ風向きになっても寝返らずギガントに「ごめん」って言いにいくあたりが本当に……お前は……公式プロフィールと違うじゃん……
ピコピコハンマーとヘルメット出してきて暴力沙汰を阻止する先生、格好いい。そのあと結局ギガントが暴れちゃったのを身体張って止めに行くのも格好いい。自分の方からは絶対手を出さないのも格好いい。ノックアウトされて倒れるまで宝塚かってぐらい尺とってて笑う。

負けたギガント、全てを失った気持ちだっただろうけど、そこまで悲壮感が漂ってないというか、憑物が取れたようにも見える。どこかふっきれたんじゃないかな、自分が間違ってたというのを正面から突き付けられて。それを突き付けるためには、やっぱりメガネは一度は喧嘩で、ギガントの言語で勝つしかなくて、それは大人じゃできないことなんだよね。現実でどうするかはまた別問題として。これは奇跡の物語なので。

ギガントが行っちゃったあとにすっごい心配そうな顔してるツネヲ……お前……そういうとこだぞ……

先生はギガントのことちゃんと気にしてて先生だし、たっつぁんはメガネの勝利を全力で喜んでて良き近所の兄ちゃんでした。やっぱり色んな立場の色んな大人が全力で子どものことを考えてくれる環境って良いね。

 

M19:僕たちの失敗

梅棒で森田童子聞くと思わなかったのでまずその衝撃で爆笑。

トングをカンッて鳴らすタイミングが絶妙すぎてまた爆笑。

全然笑えるシチュエーションじゃないんだけど、やっぱりイインチョ関連は梅澤さんの破壊力で熱海殺人事件のような空間になる。切な悲しい笑える。静かなのに凄い熱量。

子どもたちがイインチョの様子のおかしさに怯えるなか、大人……子どもの目線で見えるものと、大人の目線で見えるもの、違うよね……戻ってきてよかった、どうしてたんだ、髪伸びたなぁ、ってそうなんだけど……そうなんだけど……先生って基本空気読んでたら仕事にならない部分が大きいと思うんですけど、炸裂しましたね。たっつぁんは良き近所の兄ちゃんだしメガネ勝利でハイになってるし仕方ない。そして結果的に子どもたちを守れたので偉い。その後出てこないけど、どこまで飛ばされたんだろうか……ポルポとちゃんとお別れさせてあげたかった……あと子どもたちの無事を確認させてあげたかった……のでそういう話を書こうとしている。

 

M20:星空のディスタンス

イントロ流れた瞬間テンションがやばい。緊迫感あるはずのラストバトルなのにもう楽しくて仕方ない。

真っ先にイインチョに向かっていくモー子に泣いてしまう。そしてはじき返されたモー子を庇うハチ、イケメンにも程がある。

ギガントが武器持って戻ってくるところ、つい拍手してしまう。頑張ったね。本当に頑張った。

メガネを守ろうとしてポルポの真の力が目覚めるとき、後ろの壁に投影される照明がパパがソースの力を使うと最初同じエフェクトなんですけど、そこから一段階スパークするじゃないですか。さすがオタフク族の中でも最も強い力を持つ王子。強い。

勇者になったメガネが登場するシーンの熱さよ。そこからの変身ラッシュがもうニチアサ最終回の変身シーンかってぐらいテンション上がる。壁の後ろでもずっと動いてる狐すごい。

飛び出してきてすっごい綺麗な蹴りを狐に入れるハチが格好良すぎるし、狐倒したあとにキリッとした顔で十字きるモー子がマジで格好良すぎるし、アイコンタクトとるところも格好すぎるし、なんなんだこの二人。強い。目の前でこのシーン見られて本当に良かった。2列5番。ありがとうございます。

イインチョのラスボス感がすごいのに、やっぱりすごく華奢で、小さな肩に背負ってしまったものが大きすぎて、より狂気を強く感じる。糸が切れたような倒れ方がすごい儚い。

 
M21:オレンジ

「片付けしなきゃ」って言い始めるのも、最初に謝るのがギガントなのも良い。お前よくそこまで気付いたよ。えらいよ。

なんだか分からないけどとりあえずみんなの真似してイインチョに謝るポルポのかわいさたるや。

思わず逃げ出しちゃうイインチョを引き止めるモー子。大事な友達、取り戻したね。本当に格好いい。二人で踊るところ、すっごい綺麗だった。

イインチョに謝られて先生の真似するビンボがかわいい。

ポルポと握手するイインチョのリアクションがかわいい。苦手なんだねああいうぬるっとした感じの。でも頑張るイインチョは本当に良い子。最終的に顔を撫でられまくってて笑った。

そしてその場を離れて見てるギガントと、それに気付いて友達になろうってするメガネがさぁ。そしてそれを見てるツネヲがさぁ。

これポルポの覚醒したソースの力を感知してパパとママが迎えに来れたんですかね。引きで見ると照明の効果が最大限発揮されてシルエットがめっちゃくちゃ美しいパパとママ。

ポルポとのお別れのシーン、みんな泣いてる中でハチが泣かないの、すごい気を遣ってますね。どこまでイケメンなんだお前は。

満を持してビンボの感情の栓が全開になる。よかった。

イインチョの表情も絶妙。出会ったばかりなのに、助けてもらったのに、もうお別れなんてっていう、他のみんなとは違う寂しさ。

メガネがギリギリで振り返ってポルポを呼んで、ポルポが駆け下りてきてハグするシーン、美しい。文字にしたらどこまでもありふれた定番のシーンをあそこまで美しく見せられるの、本当に凄い。

年頃の子どもなのに友達と遊べず、毎日修行ばかりだったポルポに友達ができたんだと知ってママが泣いてる姿を見て泣いてしまう。

お別れを言えないメガネを気にするハチ、「かえろ!」って言うハチ、どこまでイケメンなんだお前は。

 

M22:SHAKE

メガネの表情が最初と全然違うじゃん。元々弱い子じゃなかったけど、全然自己開示しない子だったじゃん。それがここまで明るい表情するようになったっていうのが、すごい成長だと思う。一歩踏み出すきっかけをくれたポルポ、それをものにできたメガネ、素晴らしい出会いだった。

ギガントは人を殴らなくなった。友達ができた。人を好きになるという気持ちに気付いた。家では相変わらずひどい扱いを受けてるんだろうけど、外からの影響と自分の気付きでここまで変われた。これを奇跡と呼ばずして何と呼ぶ。でもイインチョはまだギガントのこと好きじゃないと思う。正義感強いから放ってはおけないだろうけども。それは別のお話として。

そして令和2年。

先生、博士のハゲをいじるのやめなさい。

たっつぁんは屋台やめてお店持ってそうだし、先生は校長やってそうだし、大人も色々変わったというか、成長している。

ギガントとビンボがちゃんと仕事して生活しているというだけでもう泣きそう。しかもビンボ三つ星シェフてお前。本当によかった。

ツネヲも親の会社継がないで独立してる感じするし。

イインチョのキラキラ具合。よかった。イインチョがキラキラできる世界でよかった。

モー子とハチは結婚しなかったと思ってるんですけど、それはそれで尊いというか、あの二人は自分自身も自力で幸せにできるし、なんなら自分以外の人も幸せにできるだけの力を持った二人なので、一緒にならなくても大丈夫なんですよ。

メガネが安直に宇宙飛行士とかじゃなくて会社員になってたのもよかった。もうメガネはどこでも戦っていけるもんね。きっと彼の勇気と優しさと強さを必要とされる場で輝いてるんだ。

 

カテコ

壁に手かけて立ってる先生が急にイケメンで再度脳がバグる。

たっつぁんと先生でタコ滑り台の囲いを取り払うのがとてもエモい。OFF THE WALLだ。

ツネヲとハチとビンボが並んで腕上下に振る振付すごい好きだし、その後のギガントリサイタルのシーンも楽しい。

モー子におじぎ促すイインチョ……物凄い真顔で勢いよくおじぎするイインチョ……かわいい……後ろでわちゃわちゃしてる男子の小学生感が良い。

野田さんのスター感がすっごい。

最初と最後同じ曲、同じ振りだけど見え方が違って良い。一人そもそも見た目からして全然違いますけども。

梅棒のカテコってわりと役を残すじゃないですか。それが凄く好きで。一種のパラレルを見ている気持ちになれてとてもお得。

舞台袖から最後まで手を振ってるポルポがかわいい。地球に来てくれてありがとね。

ダブルトリプルカテコでギガントが作中一番じゃないかってぐらい楽しそうにしているのを見て嬉しくなりました。

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