記録

幻覚を記録する。

2020年まとめ

2021/6/19 21:55更新

 

※ただの個人の感想なんだから何物にも囚われない、忖度しない、を目標に書いています。

 

1.フランケンシュタイン

初韓国ミュージカル。苦手なんじゃないかと思って食わず嫌いしてたんですが、思い切って飛んでみた。

なるほどこれか。こういうことか。このドロドロと俗っぽさ、全然嫌いじゃなかったです。というかなんか勢い良すぎて逆にドロドロしてない。

怪物とカトリーヌが北極に憧れるあたりとか、ちょっとブックオブモルモンを思い出したり。あれはコメディに全振りなんだけども。思わず笑ってしまうほどに悲しい。何も知らない二人。カトリーヌの高速掌返しも悲しい。あんな限界状態じゃね。あの辺の脚本、つか芝居みたいだった。

アンリがさぁ、だめだよね。友情じゃないよねあれは。全部ビクターに押し付けて満足して死ぬな。オタクかお前は。死ぬときめっちゃ良い顔してたなぁ。

鈴木壮麻さんが二幕で一切歌わなくて混乱した。

 

2.OFF THE WALL(梅棒)

めちゃくちゃ長い文章を書いたのでそちらをご覧ください。

この文章はだいぶエモ過剰だけど、実際はザッツエンターテインメント、爆笑に次ぐ爆笑、そしてちょっぴり涙、という塩梅。

エモに裏打ちされたコメディ。

みんなとにかく次の公演を見て。

すごい個人的な話をすると、我々の世代にとって梅棒って憧れの団体というか、ちょうど学生演劇やってたころに「なんかめちゃくちゃやべぇ団体が出てきていきなりパルコで公演やるらしい」っていう団体だったんですよね。そんな団体の10作目を見られて、最高に楽しむことができて、良かったなぁと思った。

 

3.Pickaroon!(壱劇屋)

関西で人気の殺陣芝居劇団の東京支部の公演。

すごいからくりサーカスの良いエッセンスを感じた。

七賊全員がフランシーヌ人形であり、そしてコロンビーヌとか、加藤鳴海とか、まさかのフェイスレスとか、そういう要素も感じられたり。

サハラ編と過去編の良いとこ盛りですよほんと。見る前はこんなに人が死ぬタイプの話だと思わなかったからびっくりしたけどな。

そして敵役二人がめちゃくちゃ良い。

佐久間様の殺陣多すぎ。強すぎ。あのたぬき親父の雰囲気であんな格好いい動きをするのはずるい。片手後ろに回して上着押さえながら殺陣するのマジで格好いい。

そして勝又くん。俺たちの勝又くん。死亡フラグを散々立てていたけど死んでほしくなかった。ずっとヘラヘラ笑って悪態ついてて欲しかった。銃剣というには変わった得物。柄が銃て。中二心に刺さる。軽薄な振る舞いに隠された忠誠心。なのにその忠誠心を捧げた相手に裏切られて殺されるてお前、そんなんみんな好きになってしまうじゃん。そして何よりかわいい。現金をあげたい。そして一晩で使い切ってほしい。

お別れのシーンの飛の台詞と舞踊がすごく綺麗で泣いたし、ラストみんなに背中を押されながらも一人で歩く御姫が涙を堪える姿に泣いた。

全体的にキャラクター性とビジュアルが凄く一致してて良かった。

 

4.改竄・熱海殺人事件 モンテカルロ・イリィージョン

中屋敷法仁さん演出。

初演の映像を見すぎて私の中で「モンテを見た時の感情のライン」が決まってしまっていたんだなぁ、と思った。追体験したいなら映像を見るべき。演劇作品をこじらせてはいけない。という自戒が生まれた。

 

5.死神は桜の下で舞う(GHETTOプロデュース)

前説からの芝居の入り方がとても良くて雰囲気のある役者さんだなぁと思ったらまさかの主宰さんでした。

都市伝説を基にした作品なのでとにかく情報量が多い。そこに新宿という街のごちゃごちゃがミックスされた、アングラというにはめちゃくちゃキャッチーな、エンタメというにはあまりにも路地裏の雰囲気がある作品。

何でも屋のところに「自分の死体を探してほしい」という死神がやってくるというあらすじを読んで、こういう舞台の何でも屋というからには二人ともめちゃくちゃ強いんだろうと思っていた。違った。殺し屋がいたら逃げるしかない普通の人間だったのがとても良かった。普通の人間というか、どちらかというと何もできない方の人間で、それでも絶対に守りたいものがあったり、人情を通したかったり、みんなを幸せにしたかったり、そういうバランスが新宿という舞台に対して丁度良い。

どんだけ笑いで飾り付けても消え切らない不穏さが漂う中で、小津さんと杏ちゃんの存在がとても良かったのと、江戸川と安道のキャラデザと作画が神懸かっていた。

 

6.ロボット・イン・ザ・ガーデン(劇団四季)

小山さんの演出によって今までと全く違った劇団四季が見えてきた。ホテルカリフォルニアのシーンの色合いとか、蓄光が光るところとか最高でした。

正直、ちょっと長い。ちょっと長いけど、めちゃくちゃ泣かされた。犬の話は無理。それ以外にももう自動的に涙が流れてくるようなシーンが暴力的なほど沢山ある。

コロナ禍云々という意味じゃなくて、もっと大きな意味で「現代」を生きる我々へのメッセージが詰まった作品でした。

ここからまたブラッシュアップされていくんだろうと思うと楽しみ。

 

7.成井豊と梅棒のマリアージュ

成井さんは配信しか見てないのでノーコメントで。

遼さんが優勝。そして犬は世界一賢くて優しくて優秀な生き物。

ぶっちゃけ不完全燃焼だったけど、こちらで無事完全燃焼されました。

https://kitakata-3594.hateblo.jp/entry/2021/05/16/230308

 

8.オペラ座の怪人(劇団四季)

横浜以来のオペラ座。やっぱり専用劇場だと舞台セットの迫力も見やすさも最高。

あと演出が新しくなって、私的にはめちゃくちゃ分かりやすくなりました。緩急がめっちゃ付いて歌詞が重なる部分も聞き取りやすい。

加藤さんのラウルなら確かにまぁ囮やってみっか!という気持ちになれる気がする。

そして何よりも支配人ズがちゃんとコメディリリーフとして機能していてすごい。平良フィルマンと北澤アンドレ、それぞれのキャラが立っているので、何でそれぞれそういった行動に出るのかがはっきり分かるし、だからこそ笑える。めちゃくちゃ面白かった。

ブケーはまぁあれだけど、よくよく考えたらピアンジが殺されるの可哀想だよね。

 

コロナ禍にしては見られた気がする。2021年はもっと見たい。